ICOが日本の切り札となる日

ICOが日本の切り札となる日

世界的にICOが禁止される中で日本は慎重に制度を整えながら解禁する方向に向かっています。ここではその日本の対応と今後のICOを考えてみました。

日本がICOを行える理由

2017年はICOの年といって良いくらいICOが活発に行われました。ICOにより多くの新しいプロジェクトが資金調達に成功したのですが、一方で詐欺(又は詐欺に近いもの)も横行していました。

これは主に金を集めるだけ集めてプロジェクトはもぬけの殻であったり、大仰な目標を掲げて金を集めてはダラダラやり続ける事であったり、そもそもICO自体を実施しないという事であったりと、仮想通貨の技術を逆手に取った詐欺が多発していました。その結果各国はICOに対し制約や禁止を発表し、昨年の10月以降は一気に冷え込んでしまいました。

アメリカ・中国・韓国・その他の多くの国でICO規制が発表される中、日本は特にそうした流れに乗ることも無く静観していたようにも見えます。確かに日本でもそうした詐欺ICOの話がちょこちょこ散見されていましたが、多くの投資家はそこに乗ることは無かったように思います。殆どの日本人投資家が騙されたのは海外の案件であったと思います。では何故日本では詐欺ICOが横行しづらいのでしょうか。

統制が効くというアドバンテージ

日本でICOを行う事は単純に高リスクです。仮に投資家を騙したとしても、捕まった場合は昨今の風向きからすると金銭面では言うに及ばず、刑罰だけではなく社会的にも抹殺される可能性が高いです。そこまでのリスクを負いながらやったとしても大した利益は見込めませんので、妙な言い方にはなりますが、詐欺案件を行うインセンティブがありません。リスクの方が大きすぎます

では、反対に他の国ではどうでしょうか。おそらくガバガバで管理も出来なければ、統制も利かないでしょう。ですので、各国政府は禁止にするという方法しかできないのです、上手くコントロールしながら発展させる事が出来ないのです。詐欺師もヤバくなったら他の国へ逃げればいいや位にしか思っていないでしょう。「その国に居る事が出来る」メリットが無いからです。

以上からも日本ではICO詐欺が横行する可能性は低く(大したこと無いプロジェクトをつかまされる可能性はありますが)安全な環境を構築出来る素地はあると言えるでしょう。こうした環境を作り上げる事ができるのは世界広しといえど日本だけと言っても過言ではありません。大きなアドバンテージです。

世界中から資金・技術者・企業を囲い込める

安定的なICO環境は他国から案件を呼び込む事に繋がります。これにより世界中の投資家、ICOを実施する企業の技術者や仮想通貨のプロジェクトを囲い込む事ができます。

株やエンジェルによる資金調達は出来ずとも優れた技術を持つ、あるいは面白いサービスを作り上げる事ができる人は世に多く存在し、彼らがICOに活路を見出したときには日本に来るしか無くなります。

ICOを日本経済の新たな起爆剤に

日本がIT分野で存在感を示せない間に中国が大きく躍進しました。東南アジアもものづくりで力と付け、新たな勢力を拡大させています。こうした他国の成長が世界における日本の優位性を停滞させる一因であることは否定できません。

そうして失われた何年もの後にようやく主役を張れる分野がめぐって来ました。もちろん仮想通貨、デジタル金融の世界です。全世界がマーケットのこの分野を制する事が出来れば、日本は新たに世界に対して存在感を放つことが出来るようになると思います。

シリコンバレーはIT技術者のメッカになりましたが、日本はブロックチェーンテクノロジーのメッカになれる可能性があります。一番近い位置にいるのでは無いでしょうか。

コラムカテゴリの最新記事